膝関節痛
主に膝関節の周りが痛くなる疾患です。症状も原因も一人ひとり異なります。「平坦な道を歩くと膝が痛くなる」「階段の昇り降りをすると痛くなる」「膝の内側が痛む」「膝の裏側が痛む」「寝ている時に痛む」など、どのように痛むのかも患者様それぞれです。
整形分野でも膝関節痛は、外傷性疾患やそれに伴う変性の疾患をはじめ、代謝性疾患、リウマチ性疾患、腫瘍性疾患などによって起こるとされているため、原因は非常に多岐に渡ります。そのため、正確な問診や触診が重要視されます。膝の痛みを引き起こす疾患・症状の進行度合いによっては、歩行困難や寝たきりなど、重篤な障害を怒ることもあるため気をつけなくてはなりません。
膝関節痛の治療で重要なのは、まず原因の特定、そして適切な治療です。どういった症状でお悩みなのかによっても、治療法は変わっていきます。ぜひこのページを参考にして、ご一緒に膝痛を解決していただければと思います。
膝関節痛を根治させるのは難しいのか
当院にお越しいただく患者様の中には「他院で治療を受けていたけど治らない」というお悩みを持って受診された方も少なくありません。詳しくヒアリングしていくと「整骨院の施術を受けたが一時的には楽になっても、結局次の日には痛くなる」「整形外科で電気治療を受けても飲み薬や湿布をもらっても治らない」など、治療を受けても痛みが引かないことで苦しみ、当院へ受診される方が多くいらっしゃいます。疾患名もはっきり言われず、原因も分からないまま他院で治療を受けていた方も珍しくありません。
ほとんどの整形外科や整骨院では、「膝関節痛=膝の関節の障害によって起こる」と考えられているため、膝関節の疾患の治療が行われます。それにより膝痛がひかないこともありますが、必ずしも「膝関節の疾患によるもの」とは限りません。
膝痛がなぜ治らないのかと言いますと、まず、患者様によって原因や症状の程度が微妙に異なっているためです。ある方には合っている治療法でも、別の患者様にも合うとは限りません。
この項目を読んでいる方の中には、「でも、膝の痛みはなかなかひかないし……」「根治させるのは難しい」と思っている方もいるのではないでしょうか。決して、そうとは限りません。原因疾患の見落としていたり、患者様に合った治療を行っていなかったりする場合もあります。患者様一人ひとりの状態に合った治療を選択し続けていけば、より効果的である場合も少なくありません。
「膝関節痛=膝だけが悪い」とは限りません
人は立ったり歩いたりする生活を送っているため、膝をはじめ、腰や骨盤、足関節など全ての部位に負荷がかかっています。またその状態で、約3kgもの頭を1日10時間以上、常に支え続けています。この状態を考えてみると「膝関節痛=膝のみに原因がある」と言えるのでしょうか。
実は、そうとは限りません。姿勢の変化によって関節への負荷が高くなることで、「筋緊張(筋肉の収縮)」や、「不均等(偏った筋肉の使われ方がされている状態)」が起こることで、膝痛や痺れを引き起こすケースは少なくありません。
また、膝痛がある方は、膝関節周りの筋肉が収縮して、緊張し続けている状態でもあります。そのため血行が滞ったことで、痛みが起こっているケースもよく見られます。そのため緊張をほぐし、「痛みがない状態(筋肉がほぐれた状態)」をキープすると、痛みが引くこともあります。
当院では、「膝関節痛だけを診る」という判断で治療を進めていません。膝の痛みが現れたきっかけなどを、丁寧にお伺いします。もちろん膝だけでなく、腰や脚の関節、足の裏などの状態も診ていきます。加えて、診療室へ入られた時の姿勢まで逃さずにチェックします。膝だけに起こる疾患なのか、膝をかばい続けたがゆえに起こっている二次的な痛みなのか、また他にも原因が隠れていないのかなどを、丁寧にチェックします。
そして分かりやすい言葉を使って説明してから、治療方針を提案します。治療は、方針にご納得いただいてから行います。ご不明な点等がありましたら、その都度何度でも、ご納得いただけるまで説明していきます。このように、丁寧な診察を心がけていますので、初診の方にはお時間を長めに取っていただいています。
膝関節痛の診断・検査
問診と触診によって整形外科分野の膝痛かどうかをチェックしてから、必要に応じて検査を行って確定診断をつけます。まずはレントゲン検査を行い、必要に応じてCTやMRIなどの検査を行い、膝関節痛の原因とその適切な治療を探ります。
来院される患者様から「他院でレントゲンを撮ったら特に問題ないの診断され、痛み止めを飲んだり電気治療を受けたりしましたが、なかなか痛みが引きません」といったお悩みをお聞きするのですが、膝関節痛の原因でよくある軟骨、半月板やその他筋腱の異常は、レントゲンでは分からない場合もあります。
膝関節痛の治療法
できる限り手間暇をかけ、患者様一人ひとりに合った治療法を提供します。膝関節痛による痛みや原因は、一人ひとり異なります。短期間で改善される方もおりますし、なかなか治らない方もおられます。それゆえに、一人ひとりに合った治療法が重要です。
基本的には投薬、リハビリ、注射などの保存的治療(手術を行わない治療)を徹底的に行います。保存的治療を行ったが効果が得られない患者様や、軟骨が完全にすり減ってしまい、日常生活に支障をきたすような患者様は手術加療も検討します。
また、かかりつけの整形外科が休診によって、お薬や湿布などが足りない場合もぜひ、当院の受付へご相談ください。お時間を取らせないよう速やかに対応します。
軽度の膝痛でしたら、ある程度安静に過ごして予防していれば、痛みも解消されます。しかし、痛みが長期化している状態を放っておくと、重篤な障害に至る危険性もあります。膝の痛みでお悩みの際は、迷わずにご相談ください。
当院で対応している膝関節手術※手術の際は連携先の病院にて対応させていただきます。
-
高位脛骨骨切り術